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なぞの時計の正体を「特許検索」で追う。
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10年以上前、フリーマーケットで写真の置き時計を買った。
木目調のボディ(プラスチック製)に金属の文字盤、その文字盤から前方に飛び出た竜頭。
レトロな雰囲気が気に入り、確か500円で購入したと記憶している。

自宅に帰り電池を入れようと電池蓋を開けてみたところ、断線した導線が隙間より飛び出してきた。電池を入れるまでもなく動かないことがわかった。
アキバのジャンク品でもこんなことはよくある。ただし激安のジャンク品に手を出すには「ノー・クレーム」が条件だ。
そもそも故障していたら修理をするつもりでいたが、当時は好奇心の優先度からなかなか手をつけられず、結果的に今日まで随分長い時間放置してしまった。

私の記憶からもすっかり消えていたこの時計だが、最近なんとなく分解してみたくなった。
購入から10年が経ち、さらにレトロ雰囲気を漂わせるこの時計。
そもそも、この時計はいつ、どこで作られたものなのだろうか?

ネット検索でこの時計の正体を探ってみたら様々なことが判明したのでここに書いておく。
 

まず文字盤を眺める。「Jeco」(ジェコー)の文字がある。

「jeco」はメーカー名だろう。google検索してみると、ジェコー株式会社のウェブページを発見した。
会社情報を読むと、1952年に埼玉県行田市で創業の自動車用時計メーカーとのこと。

どうやら、自動車用の時計だったようだ。
底面はマグネット。
最近の車はよく知らないが、昔の車のダッシュボードには鉄板が入っており磁石がつくものがあった。
この磁石で固定するのだろう。

底面のネジをはずしてみた。
ボディを後方に引くと、そのままスライドして外れた。
上から眺めると、小さな歯車同士がいくつも噛み合っており、非常に細かい作りなのが分かった。
 
こちらは下から見たところ。
独特の美しさがある。
断線箇所をはんだ付けし、電池を入れてみたが動かない。モーター内部でコイルが断線しているのか、電池をつないでも回らなくなっていた。

そして「仕組み」を探ってみた。

一番大きな部品。これがモーター。上記の通りここが壊れていた。
こちらには、ゼンマイ。見づらいが写真の矢印の先端部には、蚊取線香のように渦を巻いたゼンマイがある。
モーターとゼンマイ、針を動かしているのはどちらなのか??

ボディ底面の蓋を外すと、こんな番号がずらずらっと並んでいる。
 

これは日本、アメリカ、イギリス、カナダ、フランスで受理された「パテント(特許)番号」。

この特許を調査すると、仕組みなどが判明するはず。
まずは日本語で書かれた特許文献を読むため「特許電子図書館」より「特許0432520」を検索してみた。
しかし、出願時期が古すぎるのかネット上にはアップロードされていないようだった。

次に上から2番目のアメリカの特許をGoogle patentで検索してみたところ、これはヒットした。
特許文献をpdfファイルで読むことができる→『Automatically spring wound clock』(US3276199)

検索した特許文献によると、米特許出願日は1964年4月22日。
時代としては日本がOECD(経済協力開発機構)に正式加盟する数日前とのことで、おそらく高度経済成長期の真っ直中…なのだろう。
発明者は「イシカワ カズオ」さんという方であることが分かった。
何気なく私の部屋に転がっていた時計は、どうやらもう50年も前の1960年代半ばの製品だったのだ。

発明者のイシカワカズオさんは、論文検索で出てきた石川和夫さんだと思う。

特許をざっと読むと、
「モーターを使ってゼンマイを巻く時計」だということが判明。

モーターがゼンマイを巻いて→ゼンマイが針を動かして→ゼンマイがゆるくなってくると→(最初に戻る)
という動きをするようだ。従来こういう動きをする時計はあったようだが、動きを改善する「仕組み」の発明だったようだ。

ゼンマイを手でまくと針が動き出したので、機械部分に問題は無さそうだ。
モーターを交換すれば修理可能だろう。
故障しているモーターも、丁度良いボディの大きさと、軸の径が等しい代替品を探せばどうにかなりそうだが、これが見つかるかどうかだ。


 
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